しほりです♪
2022.2の振り返り、写真見直してたら、2/2のこと「久しぶりに通ったので記念に一枚♪」と撮った早稲田大学大隈講堂。なんと時計も2時(*´꒳`*)
1979年。ここにカラヤンが来たのよ~♪博士号を授与されて、学生のオケを降ったのよ♡
2だらけの2時に、私はそんなことを喋ってたのです(^^)
数日前の出会いで、ここのそばにある肥後細川庭園をご案内することになって、早稲田でランチしたものだから、この道を通って思い出した!っていうほんと偶然の産物なのだけど…
当時はまだ学生運動の余韻も残り、周りは立て看板だらけだったなぁ。今はすっきり綺麗になって時代も学生も変わったのだね。
私は早稲田ではなかったけど、カラヤンの大ファンなのを知ってる方のコネで見に行けたのです☆今思うと本当に人生のピンポイントでのタイミングですよね。当時より有難い気持ちも増しました♪
四角い学帽にマントを来たカラヤンが総長から学位を受け、挨拶して。おかげで肉声も聴けたし、早稲田のオケのリハーサルを少しやったのだけど、カラヤンに指導してもらうなんて、まあすごいことで、それを見られただけでも人生の☆のような出来事でした。
カラヤンが日本の学生たちにも、貴重な体験させてくれたのは、1977年の第九もなのですが、それもリアルで聴けたことが、私の音楽体験のとても熱いところであったことが、昨年あるきっかけでわかったのです。
あの当時ベルリンフィルやウイーンフィルはじめ、たくさんの名演を日本でも聴けたクラシックの全盛期。
でも、当時のスターたちももうこの世に無く、あの音を聴けることももうないのか…
と思っていたのですが、なんとまるでコンサートの席に座って聴いているかのごとくCDの音を再生できるシステム!
そんなシステムを開発なさった横田さんと昨年巡り会えたのです。
カラヤンは、あと30年後に生まれたかったと生前言ってたそうです。
そのくらいあれば機器が進化し、自分の本当にやりたいことができたと思ってたのでしょうね。
カラヤン亡き後、30年と少し経ち、なんとその言葉通りになったのだ!と、私涙出るくらいびっくりしました。
先ほどの第九のことも、横田さんに出会えたことも、Solaさんとの藤野での再開がきっかけで、本当にSolaさんにも感謝です。
カラヤンの生音は、当時でもチケット争奪戦でなかなか聴けなかったということもあり、またその世代でなかったという方もあり、
友達と聴けてなくて残念との話になったこともありました。
そこに年末の出来事、当時の第九の思い出が重なり、横田さんの音響システムで当時の名演を聴かせていただけないか、とお願いしてしまったのです…(^^)
横田さんが快く受けてくださり、本当に感謝感謝で楽しみにしていたところ、思い出の大隈講堂の前を通るというタイミングでした♪
そしてその数日後、横田さんに聴かせていただいたのが、まさにカラヤンが早稲田大学に来たその年1979の普門館での第九ライブでした。
普門館といえば、ブラバンの甲子園として有名でしたが、サントリーホールができるまで、カラヤンは来日のたび普門館を使っていたのです。
思えば、実家から歩いて行けるところに、そんなに来てたのだなぁと今になり気づいた(笑)
距離は近いけど、プレイガイドに何時間も並んでやっと取れるくらいで、その上何度も行けるほど、お金も無しでしたから、
1979年の第九はチケット代が高いのが問題になるほどのこともあり、諦めて聴けなかったのでした。
そりゃあ、レコードと同じスター歌手や合唱団を連れて来るのだから、それはお高いのは当たり前なのですが、当時の私にはそれは贅沢なものだったのです。
その演奏がCD化されていて、今回素晴らしいシステムで聴けることになったのです。なんて幸せな♪
実際コンサートに行ってしまうと、ついついカラヤン本人見るのに夢中になってて、音に浸り切るってことはできなかったし、
今は耳で聴くというより、全身で音を受け取るというか、響き合う感覚もあるので、音に対して100%向き合える機会でもありました。
第1楽章、音が遠くで鳴っていて、小さく感じましたが、横田さんのことですから、きちんと調整なさってこの音だろうなと思ってました。それは楽章を追うごとにわかりました。混沌から始まる感じ。
第2楽章、スケルツォ。聴きながら、何でここにスケルツォなんだ?と疑問が湧いてきました。第2楽章はこの曲と思ってあまり考えたことがなかったけど、他の交響曲は3楽章にスケルツォ持ってくるよね普通。なんで第九だけ変えたのだろう。第1楽章が地球創生という感じがしたので、このスケルツォはその上で細々動いている人間の働きみたいにも感じました。音に合わせて、興奮というか心拍数も上がって、ちょっと走ったような感じで、バシッと終了!
第3楽章、カラヤン、ベルリンフィルの真骨頂というか、レガートが美し過ぎる。その上呼吸しているの、音楽が…
ライブだから、普通の録音ではなくて、聴衆がいるのですよね~
会場全体が呼吸しているよう。
第4楽章に向けて。
ライブならではの空気感まで伝わってくる再生のすごさ。
いやあ、カラヤンの凄さってこういうところだったと思わせてくれました。
この時、ふと思い出したのが、奈良の秋篠寺にある技芸天。技芸天というのは日本でこの一体だそうなのだけど、東洋のヴィーナスと言われてるそう。
西大寺に行ったら、駅に秋篠寺の名前があって、予定変更で行ってみたら、それはそれは衝撃的な出会いでした。
その前に立つと、呼吸しているの。
静かに胸が動いているように見えて。
本当に不思議な美しい仏様でした。
天平時代の仏様の残された頭に、鎌倉時代に運慶が胴体を作ったもので、当初その仏像がどんなものだったかはわかっていないそう。けれど運慶の技は頭と胴体が別物と思わせないほど、まさにそれ以上に均整のとれた曲線美の女神をそこに生み出したのですね。
第3楽章の息する音楽は、まるでこの技芸天の息づかいのようで、まさに天上の音楽でした。
技芸天は、シヴァ神が周りの天女達と歌舞を楽しみ、楽器を弾いていた時に、その生え際から生まれたといいます。
まさに音楽の女神♪技芸のみならず、豊穣・吉祥・富楽を司る仏様なのだそうです。第九を聴いているあの時間は、技芸天のご利益の如き豊かな時間でした。
カラヤンが若い頃からヨガと瞑想を習慣としていて、「弓と禅」を愛読していたということ、指揮を禅に喩えて話したなどは、最近知ったのですが、
その境地が見えるような、天上の瞑想のような、そんな第3楽章♡
ベートーヴェンが第2楽章をスケルツォにしたのも、この流れで最終楽章に向かうことを考えたからかな~
逆にするより、すごい効果的に思えました。
そして、第4楽章へ。
そこは宇宙でした!
第1楽章が、小さく聴こえてたのに、そのスケール感の違うこと!こんなに楽章ごとの空気が変わるものなのもライブ録音ならではですね~
カラヤンが遺した映像作品の第九では、ベルリンフィルハーモニーホールの星空のような天井をうまく使って、宇宙の彼方に住みたもう神を表現しているなぁと思って見ていたのですが、
今回は映像無し、音だけでホールを包む壮大な響きがまさに宇宙の如く私たちを包み神様に繋がっているようにも思えました。
曲が終わるとご一緒した方たちも、皆さんで涙ぐんで、見えないけどカーテンコールに出てくるカラヤンに自然と拍手を送りました。
私たちは音を通して、時間と場所を超え、1979年の普門館に飛んでいたのですね☆彡
本当に貴重な体験をさせていただいた横田さん、きっかけを作っていただいたSolaさん、そしてご一緒いただいた方たちに心より感謝な時間でした(^^)♡
今日も読んでいただき、ありがとうございました☆